犬が咳をする原因と予防方法&対策方法-ドッグフード博士
ここでは犬が咳をする原因とその予防・対策方法についてご紹介していきます。獣医に相談する時の参考にして頂ければと思います。
犬が咳をする原因とその予防・対策方法【目次】
- 犬が咳をする病気Ⅰ:心臓病の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅱ:ジステンパーの原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅲ:ケンネルコフの原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅳ:食道アカラシアの原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅴ:悪性リンパ腫の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅵ:血管肉腫の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅶ:咽頭炎の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅷ:気管支炎の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅸ:気管虚脱の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅹ:喘息の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅺ:肺炎の原因と予防対策
- 犬が咳をする病気Ⅻ:肺水腫の原因と予防対策
- 犬の咳が止まらない時の対処法は?
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅰ:心不全の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅱ:フィラリアの原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅲ:心筋症の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅳ:心筋炎の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅴ:動脈管開存症の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅵ:肺動脈狭搾症の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅶ:心房中隔欠損症の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅷ:心室中隔欠損症の原因と予防対策
-犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅸ:僧帽弁閉鎖不全の原因と予防対策
犬が咳をする病気Ⅰ:心臓病の原因と予防対策
ここでは心臓に関する病気で咳の症状がでるものをまとめました。好発犬種や病気の原因などについてもまとめたので参考にしてみて下さい。
犬の心不全の主な原因 | 予防・対策方法 |
---|---|
フィラリア症 | 室内飼育・予防薬 |
肺気腫 | たばこや排気ガスを避ける・急激な激しい運動を避ける |
気管支炎 | 豆な温度と湿度管理と掃除・タバコを避ける |
肺動脈狭絞症 | 定期健診で早期発見・早期治療 |
僧帽弁閉鎖不全 | 定期健診で早期発見・早期治療 |
動脈管開存 | 遺伝の為予防法無し |
心室中隔欠損症 | 先天疾患で予防法無し |
犬が心不全にかかると日中よりも夜間に咳がひどくなる傾向にあります。
心不全自体の予防対策としては心臓に負担がかからないよう塩分控えめな食事と適度な運動が効果的です。
犬が咳をする病気Ⅰ-Ⅱ:フィラリアの原因と予防対策
フィラリアは蚊を媒体している蚊が犬を吸血する際、血液中にフィラリアの卵を産み付けることで感染する死に至ることもある病気です。
効果的な予防対策としては、定期的(月1回)の予防薬(注射・スポットタイプ・飲み薬)です。
犬がフィラリアにかかると気管支の血流が悪くなるので咳が出る他、息切れや水を欲しがるといった症状が出ます。
犬の心筋症の主な原因 | 予防・対策方法 |
---|---|
肥大型心筋症 | 遺伝の為予防法無し、早期発見・早期治療が望ましい |
拡張型心筋症 | 遺伝の為予防法無し、早期発見・早期治療が望ましい |
ボクサー型心筋症 | 遺伝の為予防法無し、早期発見・早期治療が望ましい |
心筋症には大きく分けて2つのタイプがあり、乾いた咳が出ます。どちらについても原因ははっきりと分かっていません。
原因として濃厚なのは犬種や血統です。
拡張型心筋症に関しては「タウリン不足」が原因となりますが、総合栄養食を与えていれば不足になることはありません。
犬種 | |
---|---|
肥大型心筋症を発症易い犬種 | ジャーマンシェパード・ダルメシアン・ポインター・ドーベルマン |
拡張型心筋症を発症し易い犬種 | ドーベルマン・グレートデン・ボクサー・セントバーナード・スパニエル種・アイリッシュウルフハウンド・バーニーズマウンテンドッグ |
犬が心筋炎にかかる主な原因 | 具体例 |
---|---|
心筋の傷 | 事故や落下など、強い衝撃や揺れによる心筋への傷 |
感染 | ウィルスや細菌感染 |
薬剤 | 薬や重金属・蛇やハチなどの毒性生物 |
ウィルスや細菌感染による心筋炎を防ぐ為に定期的なワクチン接種と、普段から脈拍を計り不整脈に注意しましょう。
また、免疫力を高めることでウィルスや細菌に感染してしまっても発病するリスクを減らすことができます。
心筋炎では発熱・咳・不整脈などの症状が出ます。
トイプードル・コリー・マルチーズ・シェットランドシープドッグ・ジャーマンシェパード・ポメラニアン・ラブラドールレトリバー・ミニチャプードル
動脈管開存症は先天疾患の為、予防方法はありません。定期的な健康診断で早期発見・早期治療を心がけましょう。
上記で挙げた犬種の中でも比較的メスに多いとされ、年齢は関係なく何歳でも発症する可能性があります。
動脈管開存症では咳の他、呼吸困難やすぐに疲れる・運動を嫌うといった症状が出ます。
ビーグル・ボクサー・チワワ・フォックステリア・ミニチュアシュナウザー・ブルドッグ・スコティッシュテリア・ワイヤーフォックステリア・マスティフ
乾いた咳が出る肺動脈狭搾症は先天疾患の為、予防方法はありません。定期的な健康診断で早期発見・早期治療を心がけましょう。
ブリーダーから購入する場合は、両親が肺動脈狭搾症を発症していないか確認するのが良いでしょう。
オールドイングリッシュシープドッグ・ドーベルマン・ボクサー・ピンシェル
軽い咳が出る心房中隔欠損症は先天疾患の為、予防対策方法がありません。定期的に検診を受けて早期発見・早期治療に努めましょう。
また、この病気自体は普段の生活においてリスクとなることはありませんがフィラリア症と併発することで重症化するケースがあるのでやはり定期的な予防薬が欠かせません。
ブルドッグ・ベセットハウンド・秋田犬・イングリッシュスプリンガースパニエル
乾いた咳の他、運動を嫌ったり呼吸困難などの症状がみられる心室中隔欠損症も先天疾患の為、予防対策方法がありません。定期健診を受けて早期発見・治療に努めましょう。
早期発見で手術してしまえば一般的な犬と変わらないくらい長生きも可能な病気です。
キャバリアキングチャールズスパニエル・チワワ・ミニチュアシュナウザー・マルチーズ・ポメラニアン・ペキニーズ・ボストンテリア・トイプードル・ミニチュアピンシャー
夜中に乾いた咳が酷くなる他、チアノーゼや酸欠といった症状が起こる僧帽弁閉鎖不全は具体的な原因が分かっていない為、定期健診で早期発見・早期治療が欠かせません。
比較的オスに多いとされ、10歳以降に発症し易いと言われています。塩分は心臓に負担をかけるので、塩分が高いヒトの食べ物は与えずドッグフードを中心にあげましょう。
犬が咳をする病気Ⅱ:ジステンパーの原因と予防対策
感染から1週間ほどで咳の症状が出るジステンパーは感染動物との接触や間接的(くしゃみや同じお皿でのご飯など)な接触によってウィルス感染することによって発症します。
ジステンパーは治療薬がないので定期的な検診とワクチン接種が最も効果的な予防対策となります。
猫やイタチ・アライグマ・タヌキやハクビシンなどにも感染する為、室内飼いや食器を豆に下げるなどの対策が有効です。
犬が咳をする病気Ⅲ:ケンネルコフの原因と予防対策
乾いた咳が出る犬のケンネルコフは複数のウィルス感染によっておこる伝染性気管支炎です。
予防対策としてはパラインフルエンザやアデノウィルス2型・ジステンパーやパルポウィルスなどをワクチンで定期的に予防することが効果的です。
感染力が強く、くしゃみなどで一気に広がるので多頭飼いの家庭では万が一1頭が感染した場合、隔離するなどの対策が必要になります。
ニューファンドランド・ラブラドールレトリバー・パグ・シャーペイ・アイリッシュセッター・グレーハウンド・ミニチュアシュナウザー・ワイヤーフォックステリア
アカラシアは咳の他に食べ物や水を遠くに飛ばす様に吐く症状が現れます。
原因としては主に「他の病気の合併症」・「生まれつき」・「ホルモン異常」・「血統」などがありますが、合併症で発症するケースが多いです。
その為、予防対策としては定期的な健康診断でアカラシアを起こすような基礎疾患を早期発見・治療することが効果的です。
ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー・ボクサー・バセットハウンド・セントバーナード・スコティッシュテリア・チャウチャウ・プードル・ジャーマンシェパード・ブルドッグ・ビーグル
縦隔型の悪性リンパ腫を発症した場合に咳や呼吸困難といった症状が出ます。
悪性リンパ腫を発症する原因ははっきりと分かっていないので、定期健診での早期発見・治療が最も効果的な予防対策になります。
犬の悪性リンパ腫の8割を占めると言われる多中心型に関しては好発犬種があります。
ジャーマンシェパード・ボクサー・ポインタ・ドーベルマン・ラブラドールレトリバー・グレートデン・イングリッシュセッター・ゴールデンレトリバー・ジャーマンシェパード
血管肉腫は「皮下」・「真皮」・「内臓」にできる血管細胞のがんで、内臓に発症した場合には咳や呼吸困難といった症状が出ます。
血管肉腫の原因ははっきりと分かっていないので、定期健診での早期発見・治療が最も効果的な予防対策になります。
ただ、最近の研究で去勢・避妊が血管肉腫のリスクを挙げるということが分かりました。避妊や去勢を検討している方は獣医にどういったリスクがあるのか確認してみましょう。
シニアに差し掛かる7~8歳頃から発症率が高くなるので、定期健診は欠かせません。また、好発犬種もあります。
犬が咳をする病気Ⅶ:咽頭炎の原因と予防対策
強い痛みを伴う為、席の他に食欲不振やよだれといった症状が出る咽頭炎は誤飲やジステンパー、鼻炎や口内炎の合併症などが原因となります。
また塩素系殺虫剤などの毒性ガスの吸引などによっても起こる為、予防対策としては犬にとって危険となるものを片付けるのが効果的です。
誤飲・誤食や危険な毒性ガスなど、不安材料は色々とあるのでできるところから始めましょう。
犬が咳をする病気Ⅷ:気管支炎の原因と予防対策
犬が気管支炎にかかると乾いた咳や咳の後にえづいたりする症状が出ます。気管支炎の原因は主に感染症・寄生虫・誤飲・毒性ガスの吸引などが挙げられます。
その為、定期健診とワクチン接種で感染症や寄生虫を予防すると共に、犬が誤飲・吸引してしまうような危険物を片付ける対策が必要になります。
その他に首輪ではなくハーネスを使う・タバコは離れた場所で吸う・適正体重を維持するといった対策も効果的です。
トイプードル・ヨークシャーテリア・チワワ・ポメラニアン
咳の他に呼吸困難やアヒルの様な鳴き声といった症状が出る気管虚脱は主に遺伝・犬種・加齢・肥満といった4つの原因で起こります。
1歳でも発症しますし、大型犬であっても発症するので肥満予防やハーネスを使用するといった対策は欠かせません。
犬が咳をする病気Ⅹ:喘息の原因と予防対策
喘息は咳・呼吸困難・チアノーゼなどの症状が出るので気管支炎と勘違いし易いですが、喘息は症状が一時的(30分程度)で収まります。
犬が喘息を起こす原因としてはアレルギーとそれ以外の原因(ストレスや薬など)がありますが、アレルギー以外の原因については詳しく分かっていません。
予防対策としてはまず「アレルギー性」なのか「非アレルギー性」なのかを特定し、対策していくしかありません。
発作を起こす直前にどんな行動をしていたか?などを詳しくチェックしていくことで原因の特定につながります。
犬が咳をする病気Ⅺ:肺炎の原因と予防対策
肺炎は咳の他にえづいたり呼吸困難・食欲不振といった症状が現れます。主に基礎疾患による合併症で発症するケースが多いです。
ウィルス・細菌・真菌・寄生虫・毒性ガスの吸引などがあります。圧倒的にウィルスや細菌感染による発症が多いので定期的なワクチン接種などで予防対策するのが効果的です。
その他に流動食をあげている子は誤って食べ物が気管に入ってしまい肺炎を起こすケースもあるので慣れてきても注意が必要です。
犬が咳をする病気Ⅻ:肺水腫の原因と予防対策
肺水腫は肺炎と似たような症状が出ます。主な原因は有毒ガスの吸引・基礎疾患が挙げられます。
心不全や僧帽便閉鎖不全・肝硬変などが原因となり肺水腫を起こすことがあります。
基本的には原因となる基礎疾患を予防対策するしかありませんが、定期健診で早期発見・治療に努めましょう。
好発犬種としてチワワやトイプードル・ダックスフンドといった小型犬が多いと言われています。
犬の咳が止まらない時の対処法は?
愛犬の咳が止まらない時は上記のようなポイントを押さえておいてください。たまに咳が止まらないからといって「病院で検査をしたのに異常が無い」というケースや、「どんな咳をしているのか見てないから分からない」なんてことを言われることもあります。
なので事前に咳をしている時の動画を持参して相談したり、セカンドオピニオンも検討してみて下さい。単純に床のホコリや温度・湿度が原因の場合は抱きかかえてあげるだけでも咳が止まることもあります。
咳の程度や継続時間にもよるんですが、咳が止まらない状態が長く続くのであれば何らかの病気が疑われるのでまずは病院で診断されるのが良いでしょう。
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